隣の子が「文句言わずに食べるのが体を作るんだぞ」と話しかけてくる
「だって……しいたけとか嫌いだもん」
泣き出してしまった。
「ちょっとめんつゆあるか聞いてくるから待っててね」
菜摘は台所に行った。
「すみません、めんつゆありますか?」
「めんつゆ……切らしてるかも」
「めんつゆじゃないと食べれないっていう子がいて」
「そう……」
「めんつゆもメーカーによって味が違うしね、買ってくる?」
「私行ってきますよ」
「この間のドラッグストアが1番近いからじゃあお願い菜摘ちゃん」
「はい」
菜摘は走って買いにいった。
道場では
「俺だって焼きそばのピーマン頑張って食べたんだぞ」
「どうした?」
大冴が声をかけた。
「三好くんが食べれないってわがまま言ってます」
「アレルギーある?」
首を横に振る
「しいたけが嫌い……あと甘いのも、こんな味で食べたことない」
味の好みはそれぞれだしな、仕方ないか
「兄ちゃんも嫌いなものたくさんあったな」
「ほんと?」
「うん、でも家なら嫌って言って違うものが食べれるけど、集団で食べる時は我慢して食べたかな、何か負ける気がして」
「負ける?」
「そう、しっかり食べている子を見て負けたくないって思った、食べないと力が出ないだろ?お腹減ってたら力が出ないしな」
「僕なんか3杯目〜」
前の席の子が言った。



