「この前……大冴くんが帰った後に菜摘の部屋を覗いたら床に座ったままだった」



「……泣いてた?」



「泣いてはなかったけどボーッとしてる感じ……結局いつものように何も言ってくれないんだけどね」


先に飲み物が運ばれる


「この前はさ、友達に嘘をつかれたと思ってショックだったみたいでさ、結局誤解だったんだけど、去年の事がトラウマになってて泣いてたんだよ

まあ去年の事って言うのも少ししかわからないんだけどな」



「そっか」


「だからこの前休んだ事に関しては解決済み」


「でも、他にまだあるんでしょ?」



「俺にはよくわかんねぇ」


ケーキが運ばれてきた。



「いただきまーす」



大きく口を開けて美味しそうに食べる


大冴は外を眺めていた。



「似てるね」


「ん?」



「横顔……瞬くんとデートしてるみたい」



「ごめん、俺のせいで会えてないんだろ?」



瞬弥は部活が終わると大冴の練習に付き合っていた。