「…と。いと…絃、起きて!遅刻する。」

パチっと目を覚ますと私によく似た顔が目の前にあった。

この子は私の双子の弟の湊。一卵性だから私と顔が瓜二つだ。

絃とは私のことだ。本当は絃羽という名前で湊は絃と呼んでいる。

「ほら。ぼーっとしてないで準備して。」

湊はしっかりしていていつもぼーっとしている私の面倒を見てくれている。

時間に余裕はあるが、準備がゆっくりの私のために早く起こしてくれる。

「うん…。」

返事をして起きたことを確認した湊はリビングに戻って行った。

私も起きて準備を始めた。

リビングへ行くと朝食がテーブルの上に並べられている。

両親は仕事で家にいることはほとんどない。私と湊の二人暮らしのようなものだ。

朝食は湊が作って夕食は私が作っている。

ご飯を食べ学校へ行く。

今日もいつも通りの一日が始まった。

私は高校二年生。新一年生が入学してから一週間が経った。

私達が登校すると周りの生徒はこちらをみてザワザワし始める。

入学式以来こんな感じなのでもう慣れたものだ。害はないので気にしない。

まあザワザワするのも分からなくもない。

湊はまつ毛が長くぱっちり二重で身長も高い。とにかく容姿がとてもいい。

さらに料理も上手く運動神経、頭も良い。完璧な弟だ。

これはモテるのは仕方がない。街中でもよくスカウトされてるし。

だが湊は今まで付き合ったことがないのはおかしいくらいモテるのに彼女ができたことがない。

…と湊のことはこれくらいにしよう。

私は湊のこととなると饒舌になるみたいで友達の愛菜(まな)によくブラコンと言われる。

そんなことを考えているといつの間にか教室についていた。

湊は隣のクラスなので別れて席に座る。座ると同時に愛菜が登校してきた。

「絃羽おはよー」

「愛菜おはよ。」

私はよくぼーっとしているので話しかけられても聞こえてないことが多い。そのためよく無視されたと勘違いされる。

気をつけていた時期もあったが気を遣いすぎて逆に疲れてしまったのでもうやめた。

愛菜はそこのところも理解してくれた上で一緒にいてくれる。とても感謝している。

「相変わらず長谷川姉弟の人気凄まじいね〜」

長谷川とは私の苗字だ。

「みたいだね。湊かっこよすぎて二学年以外にもファンできてるみたい」

湊のモテ度は小学生からずっとだ。

「湊って…。はぁー。」

愛菜は呆れてため息をついた。

「人気なのは絃羽もだよ?あんた美少女なんだからっ」

きょとん。と首を傾げると再びため息をつかれた。

「絃羽は自分の可愛さを分かってなさすぎだよ!湊と瓜二つならわかるでしょ!…」

キーンコーンカーンコーン…

続きを言おうとするとチャイムがなったので愛菜は席に戻って行った。