気がつくと、どこを見ても真っ白な空間にただ一人、ぽつんと突っ立っていた。



ここは、どこ…?



「どうも、こんにちは」


「うわあ!?」



突然後ろから話しかけられ、驚いて飛び退く。


振り返るとそこには、中学生くらいの全身真っ白コーデの男の子がにこにこと笑って立っていた。



「え、だれ…?」


「僕は、天使様。天使様って呼んでね」


「…は?なんの冗談?」


「ははーん、信じてないね。よく見てよ。どこからどう見ても天使でしょ?」



男の子が突然ぐいっと顔を近づけてきて、彼の色素の薄いふわふわの髪が顔にかかる。



「なっ…!近いって、誰なのあなた!」



さっきからなんなんだこの変な人は。それにここはどこなんだ。



「しつこいなー。迷える霊を導く、天使様だって言ってるでしょー」


「だから、天使って…は?迷える霊…?」