LIBERTEーー君に

「そうかね。音楽や演奏ほど、他のことにも興味を持つといいんだがな」

「そうてすね。でも彼は初めて会った時に比べたら、ずいぶん変わりました。友人もできたようたし」

「そうならいいが。そうだ、エィリッヒにも君の紹介をしなくてはな。近々、紹介する」

「はい」

「今日はゆっくり休むといい」

「ありがとうございます」

夜半、ユリウスは貢の礼儀正しさには感心したと、マルグリットとワインを酌み交わしながら話した。

「サロンのことも話しておいた」

ユリウスはつけ加えた。

「詩月は大丈夫なのかしら? 伴奏の掛け持ちなんて」

「心配かい?」

「ええ。サロンでもエリザベートの課題曲やブラームスコンクールの課題曲を幾つも弾いているわ。好評なんだけど、不安になるわ」

テーブルの上のツマミは甘めの白ワインに合うブルーチーズと林檎。