LIBERTEーー君に

ーー詩月、ミヒャエルの返事は?

「OKが取れたよ。エィリッヒの件、お願いします」

ーーわかった。任せておけ。貢に宿泊の方は伝えたか?

「助かります、週末にはお世話になると」

ーーそうか、賑やかになりそうだ

ミヒャエルは詩月が電話で話す様子を黙ってみつめていた。

「お前の師匠はフレンドリーというか、世話好きなんだな」

詩月が電話を切ると、しみじみと言った。

「そうだな。そうでなければ、いくら親友の息子でも数年も下宿兼師匠を受け入れないよな。感謝している」

「感謝は大事だ。足を向けて眠ないようにな」

「わかっている」

「で……、安坂のプログラムは聞いたのか」

「ひと通り、聞いている。彼は1次にパガーニのカプリース24番、バッハ無伴奏ヴァイオリン第1番ト短調。セミファイナルはハイドン/ヴァイオリン協奏曲第3番 イ長調とブラームス/F.A.E.ソナタ スケルツォ ハ短調と
ブラームス/ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第1番 ト長調Op.78。ファイナルは君と同じだ。気になるか?」

「一応な」