LIBERTEーー君に

「返事、待っているんだろ? 連絡してやれよ」

詩月はミヒャエルに言われ、おもむろにスマホを取り出し操作した。

「安坂さん。伴奏の件、僕でよければやらせてもらいます」

ーーそうか! 助かるよ

貢の声は、スマホ越しにミヒャエルにも届いた。

「安坂、容赦しないからな」

ミヒャエルが貢に向かって呼びかけた。

ーーミヒャエルか? 助かったよ。こちらこそ、望むところだ

「安坂さん。音合わせは、師匠宅に宿泊していいとのことです。本番まで、こちらに」

ーーありがたいよ

「それから、もしもの時の予備の伴奏はピアノの師匠に」

ーー何から何まで、すまない

「日にちがありませんから、早めに」

ーーああ、週末にでも伺わせてもらうよ

貢の声には安心感が、滲み出ていた。

詩月が貢への電話を切った後、数分も経たずにユリウスから電話がかかってきた。