LIBERTEーー君に

「もしもの時のために、エィリッヒに予備の伴奏を頼んでやってもいい」

「……お願いします。と言いたいところだけど、未だミヒャエルに確認をとってないんだ。OKが取れたら、お願いします」

「ああ。練習するならウチを使っていいし、宿泊も」

「ありがとう」

ユリウスは数ヶ月前、コンクールが延期になった後、沈みがちだった詩月が、嬉々として出かけていくのを見て良い傾向だと思った。


BAL、昼過ぎ。

「ミヒャエル。練習前に、いいか?」

ミヒャエルは詩月の表情がいつになく固いのに気づき、何事かと身構えた。

「何? 改まって」

「実は大学の先輩に、ピアノ伴奏の相談をされた。伴奏者の確保に困っていると」

詩月は単刀直入に切り出した。

「で!? どうしたいんだ?」

「君に許してもらえるなら、安坂さんの伴奏者を引き受けたい」

「マジで!?」