LIBERTEーー君に

念のため、貢には1次、セミファイナル、ファイナルの演奏曲を確かめた。

詩月は電話を切り、すぐさまブラームスコンクール出場規定を開いた。

伴奏者規定に関する事項を注意深く読み返し、複数の出場者の伴奏をしてもいいかを確かめた。

ーー伴瀬者を申請した場合、コンクール主催側で手配する。出場者が自ら伴瀬者を伴う場合、その費用は自己負担とする。

コンクール規定には、それだけしか記されていなかった。

どうしたものかと考え、コンクール主催に複数の出場者の伴奏をしてもいいかを訊ねたが、特に問題はないとの返事だった。

「ミヒャエルが納得するかな」

詩月は電話で話すことではないと思い、昼からのミヒャエルとの演奏時に話すと決めた。

出掛けに、ユリウスから「厄介事を頼まれていないか?」と訊ねられた。

詩月が正直に話すと「引き受けるのはいいけれど、体は大丈夫なのか」と心配された。