LIBERTEーー君に

ヨハン・シュトラウスは「ローレライ」の作者と呼ばれていたより、「ウィーンを革命から救った」と言われて良かったじゃないかと。

詩月の思いとは関係なしに「ラデツキー行進曲」はBALを賑やかにした。

「ヨハン・シュトラウスと言えば「ラデツキー行進曲」だな」

「ローレライ=ラインの調べ」も有名だけどな」

ライン川とその岸にそびえる岩山「ローレライ」と「ローレライ」の伝承を元にして作曲された曲だ。

「断然、ラデツキー行進曲がいい」

「即興でよく弾けるわ。あんなボロピアノで。鳴らない音や狂った音、5つや6つじゃないのよ。涼しい顔で気持ち良さそうに演奏しているけれど」

ビアンカが思い切り捲し立てた。

「確かに、離れ技だな。マスター。そろそろ休ませてやってもいいだろ、そのピアノ。じゅうぶん頑張ってくれたよ」

マスターはピアノをマジマシと見つめている。