LIBERTEーー君に

ーー周桜はピアノコンクールが来年に延期になって気落ちしているのかと思ってもいたんだけど、大丈夫そうだな

「まあな、なんとかな」

BALではミヒャエルがコンクールに挑戦することが、話題になっていた。

ミヒャエルの参加申請書の推薦人は周桜宗月とユリウスが署名した。

ミヒャエルが詩月のピアノ伴奏で、コンクールの課題曲を日替りで演奏するのが定番だった。

詩月はBALのボロピアノを駆使して、エリザベートコンクールの課題曲も演奏した。

マルグリットのサロン「フレデリック」は用心を期して、完全予約制を強いて、敷居が高くなったと揶揄されている。

反面、客層が良くなったと言われている。

大学は新型ウィルスの拡大を懸念し、オンライン講義にななっていた。

つまらない日常に、BALでの演奏や街頭演奏がかろうじて色を添えていた。

「ミヒャエル、本命の曲の仕上がりはどうだ?」

「ん……なかなか手強い」