周桜宗月の連絡先と自分の連絡先を記したメモだった。

ミヒャエルは深々と礼をして、BALを出ていく2人を見送った。

手渡されたメモをみつめ、頬を紅潮させ、詩月のヴァイオリンを握りしめ、暫し佇んでいた。

「師匠は……ユリウスは普段、演奏を褒めない。そのメモは彼なりの賛辞だ」

詩月はポツリ呟いた。