LIBERTEーー君に

「クラシックを楽譜通りには演奏しないでしょ?」

「そうだな、吹奏楽用にアレンジして多少POPには。最初はど素人で心配はしたけれど、今はまあまあ聴ける」

「親しみが沸くというのは解らなくはないよ」

「だから特記事項はなしだし、少人数でもいい」

「街頭演奏みたいなノリで?」

「そうそう、そんな感じ」

「動画チャンネル『詩月』で募っていいんだね?」

「ああ、任せる。演奏曲のリクエストも募って」

「スケッチブックで考えている分はいいの?」

「色々考えてはみたけれど、自分の好みに片寄るのもよくないなと思ってね」

「了解」

詩月はスケッチブックを捲りながら、アーティストプロダクションやイベント会社の気苦労や企画の大変さを考えた。

自分が好き勝手するのと、ちゃんと企画し利益まで考えるのとでは、全然違うのだと。

今さらながらに実感していた。