LIBERTEーー君に

さすがに未だ調律する技術も足りないし、調律する勇気はない。

でも、いつかはこの年代物のピアノを自分で調律してみたいと思う。

ビアンカには、ピアノが新しくなったのに今さらポロピアノを弾きたい気持ちがわからないと言われる。

ミヒャエルはもっと痛烈だ。

「バカだろ、お前」だ。

ウィーンも暑さが和らぎ、過ごしやすくなった。

朝晩は肌寒い。

あと1ヶ月もすれば、冬の装いになる。

詩月が苦手な季節が近づいている。

所属する楽団では、第九講演が決まった。

オンライン練習と合同練習のスケジュール表が送られてきた。

大学の試験も迫っているし、レポート提出期限も迫っている

ミヒャルは何とか卒論のプロットを纏め、パソコン画面と街頭演奏の動画とにらめっこをしている。

卒論が完成するのは期限ギリギリになりそうだ。