LIBERTEーー君に

「何をしている。さっさとヴァイオリンを構えろ」

演奏コールはさらに激しくなった。

「セミファイナルの結果も演奏も納得できていないんだろ。満足できる演奏、したくないのか」

「簡単に言うなよ。散々練習して必死で演奏した曲が上手くいかなかった、セミファイナルで落選したんだぞ」

ロベルトが顔を紅潮させ、身体を震わせながら叫んだ。

「終わったことをいつまで悔やんでいるつもりだ。悔やむ暇があるなら1曲でも1分でも練習しろ」

ミヒャエルは厳しいことを容赦なしだなと思った。

それよりも、ロベルトが詩月のヴァイオリンを上手く弾けるのかが気になった。

「それは癖のある楽器だが、良い音は出るはずだ。懸命に弾く演奏者を呪いはしない」

ミヒャエルはハラハラした。

それを言うのか? ヤバいヴァイオリンだと言っているようなものだろうと。