LIBERTEーー君に

「ちゃんと見返りをもらうんだよ。詩月も色々、忙しくなるんだし」

「耳が早いな。もう知っているのか」

「週末にユリウスがマスターと話してたよ」

「口止めしたのに……」

「ユリウスは飲むと饒舌になるよ。宗月は飲んでも素面(しらふ)でも変わらないけれど。マスターにはアタシがしっかり口止めしておいたよ」

「ありがとう」

「詩月、配信は自由にしていいんだよね」

「それは規制されていない」

「良かった。詩月は誰に1番、演奏を届けたい? 誰に1番聴いてほしい?」

「そうだな。緒方、腱鞘炎の治療をしながら、やっと練習できるようになった緒方に。本当は泣きたいくらい辛いのに、エールを送ってくれる緒方に」

「緒方……えっと、名前で呼んであげないの? 郁子とか」

詩月の頬がほんのりと紅くなった。

「詩月は何て呼ばれているの?」

「……周桜くん」