LIBERTEーー君に

「他に話しておくことはなかったのか」

「新型ウィルスの影響で見通しが立たないし、1度に色々話しても解ってもらえないだろうから」

「観ていてハラハラしたよ」

「ごめんなさい、僕は心強かったよ。今からオンライン講義の時間だから」

詩月は部屋に戻り、パソコンを立ち上げた。

折しも講義内容は、ブラームスのヴァイオリン協奏曲についてだった。

「ブラームス……最近、やけにブラームスばかりだな」

詩月は画面を観ながら、メモを取った。

オンライン講義参加確認のため、レポート提出は必須。 

提出したレポートは、「可」「不可」判定をされ、「不可」の場合は再提出だ。

詩月はレポートに限らず「不可」判定されたことは1度もない。

どう手抜きをすれば、どれだけ些末なレポートを書けば「不可」判定になるのか。

ミヒャエルがレポート用紙を前にして、頭を抱えているのが、不思議でたまらない。