詩月は郁子の頷く声とすすり泣きが聞こえて、郁子が電話を切るまで電話を切れなかった。

十数分がひどく長く感じられた。

詩月は自分自身が腱鞘炎だと告げられた時よりも、ずっしりとした胸の痛みを感じた。