「いや、セミファイナルのピアノ伴奏者と演奏していたヴァイオリン奏者がどんな演奏をするのかと思ってね。モニタールームで聴いていたんだが……」
「伴奏者の名は?」
「詩月」
男性の右手に白い杖が握られていた。
「彼らの演奏、ブラームスとシューマンは素晴らしかった。心が震えた」
白い杖……詩月はハッとした。
耳から直に受け取る音の印象とは、どのような感覚なのだろう。
視覚の情報で得られる多くのモノは全て無く、自分が話しているのが、等の「詩月」とさえ、気づいていない。
「ブラームスのソナタは雨音が聞こえたんだ。どんな雨もその身に受けて生きていこうという、意志を感じた。シューマンのソナタはシューマンの叫びに胸が熱くなったし、クララとの語らいが浮かんだ」
嬉しい感想に目頭が熱くなった。
「彼らのソナタには心が感じられた。あれほどの演奏は初めて聴いたよ」
「伴奏者の名は?」
「詩月」
男性の右手に白い杖が握られていた。
「彼らの演奏、ブラームスとシューマンは素晴らしかった。心が震えた」
白い杖……詩月はハッとした。
耳から直に受け取る音の印象とは、どのような感覚なのだろう。
視覚の情報で得られる多くのモノは全て無く、自分が話しているのが、等の「詩月」とさえ、気づいていない。
「ブラームスのソナタは雨音が聞こえたんだ。どんな雨もその身に受けて生きていこうという、意志を感じた。シューマンのソナタはシューマンの叫びに胸が熱くなったし、クララとの語らいが浮かんだ」
嬉しい感想に目頭が熱くなった。
「彼らのソナタには心が感じられた。あれほどの演奏は初めて聴いたよ」



