LIBERTEーー君に

ビアンカが「ファイナルの審査、大丈夫?」と心配したほどだ。

いつも通り過ごすことで、ファイナルが特別な日ではなく日常の延長だと納得するために、敢えて忙しく過ごす。

詩月にはミヒャエルの心情が理解できる。

普段から詩月が街頭演奏するのと、似ている。

ミヒャエルは本番前には、なるべく雑念を入れたくないのかもしれない。

見かけによらず神経質だ。

演奏者は十人十色だ。

10人居て10人とも、それぞれに性格も習慣も日々のルーティンも、考え方も……何もかもが違う。

多少似ていても微妙に違う。

誰1人、同じ色の者は居ない。

コンクールは審査だの評価だのと、型にはまった枠に当てはめて点数をつける。

型にはまらない演奏者は?

はみ出し者は?

規格外だと切り捨てられるのか。

そんなこと有り得ないだろう、許せるわけがないだろう。