LIBERTEーー君に

ーー審査員はタジタジだったでしょうね

「評価レベルが上がってセミファイナル以上の演奏を求められるかもな、安坂さんもミヒャエルも」

ーー大変なプレッシャーね

「だろうな。それに安坂さんとミヒャエルのファイナル曲は同じだし、実質一騎討ちかも」

ーー想像したら、ドキドキしてきた

「安坂さんもミヒャエルも良い演奏になるはずだ。期待していい」

ーー周桜くんが言うなら、間違いないわね

詩月は貢とミヒャエルの評価レベルを上げてしまったかもしれない罪悪感を、少し慰められたように感じた。

郁子は貢にも電話をかけたと言った。

ただ「頑張って」というひと言だけだったが、貢はずいぶんスッキリした声だったと話した。

ミヒャエルは朝から、いつも通りだった。

BALで午前中、ビールとワインとウィスキーの蔵出しをしたり、ピザ生地の下ごしらえをしたりして過ごした。