LIBERTEーー君に

「生きるんだ、生きていくんだ」という生命力だ。

象徴的な、表現するには難しい楽章だと思う。

ミヒャエルは敢えて強調することなく、シンプルに率直に演奏した。

シンプルであればこそ、強く心は伝えられると思った。

第4楽章は「動きを持って」と指示が有る。

思いを溜めて溜めて、感情を抑えながら、祈りをこめる。

胸に押し留めた感情や情熱は、いっきに溢れだす。

希望、願望、感謝、苦しくても自分は誰より幸せなのだと言い聞かせるように、曲を歌い上げた。

愛している、どんな不遇に見舞われようとも、自分のクララへの愛も音楽への情熱も変わらないのだと、念じながら。

ヴァイオリンを奏でながら、胸が熱くなった。

詩月のピアノの音色に涙が零れそうになる、何度も。

シューマンがどれほど、クララを愛していたかを考えた。

約29分の演奏は終始、心地良かった。

今日の演奏が今までで1番、思い通りに弾けた。