LIBERTEーー君に

審査員たちはそれぞれに互いの顔を見合わせた。

「音楽性、技術、リズム、暗譜、理解度など全ての項目とも申し分なかった。以上だ」

「ありがとうございました」

詩月と貢は退出し、客席には向かわず湖畔を歩いた。

「今日は気分に任せて演奏しました。審査員が共感してくれて良かったです」

「ーー周桜」

「優勝したいですか? 僕は優勝より、記憶に残る演奏をしたい。安坂さんはどうですか?」

「今日の演奏は通過云々を意識する暇はなかった。でも今までで1番、気持ちよく弾けた。申し分なかったと言われて嬉しかったよ」

「僕は結果は後から着いてくるものだと思っています。周桜詩月と演奏したい。安坂貢と演奏したい。もっと演奏を聴きたいーーそう思ってもらえる演奏者になりたい」

「今回、コンクールに出場できて良かった。周桜、伴奏者がお前で良かった。ファイナルはどうなるかわからないが、全力で挑むよ」