審査員たちは各々、審査票を見つめたり、はじいたり、鉛筆を鳴らしたりしながら、貢の話に耳を傾けた。
「演奏するたび様々な視点を模索しながら、でも曲の旋律は激しい雨と言うより、哀愁の中にも穏やかさを感じさせる雨で……迷いました。毎回、演奏が変わるというか、ピアノ伴奏者とも解釈が分かれました」
「君は……えーと、伴奏の周桜詩月くん、君は?」
詩月は不意を突かれ何故、コンテスタントの貢だけでなく伴奏の自分に訊ねるのかと思った。
「僕は、この雨は真夏の雨というより真夏前の雨季のように感じました。その上で、ヴァイオリンとピアノの解釈が違うなら各々の解釈がぷつかり合ってもいいのではと思いました。ヴァイオリンとピアノのためのソナタならば、どちらも主役なのだと」
「確かにーー悪くなかった。新鮮、いや斬新な演奏だった」
「印象に残る、記憶に残る、訴えるものがある演奏だった」
「演奏するたび様々な視点を模索しながら、でも曲の旋律は激しい雨と言うより、哀愁の中にも穏やかさを感じさせる雨で……迷いました。毎回、演奏が変わるというか、ピアノ伴奏者とも解釈が分かれました」
「君は……えーと、伴奏の周桜詩月くん、君は?」
詩月は不意を突かれ何故、コンテスタントの貢だけでなく伴奏の自分に訊ねるのかと思った。
「僕は、この雨は真夏の雨というより真夏前の雨季のように感じました。その上で、ヴァイオリンとピアノの解釈が違うなら各々の解釈がぷつかり合ってもいいのではと思いました。ヴァイオリンとピアノのためのソナタならば、どちらも主役なのだと」
「確かにーー悪くなかった。新鮮、いや斬新な演奏だった」
「印象に残る、記憶に残る、訴えるものがある演奏だった」



