LIBERTEーー君に

ーー周桜の「雨の歌」が叫んでいる。もっともっとヴァイオリンを歌わせろと

貢と詩月は埋まらないパズルを埋めるように、ピアノとヴァイオリンのためのソナタを奏でた。

審査員たちは2曲の演奏後、審査票を眺めながら訊ねた。

「1つ。『雨の歌』の解釈だが、どのように捉えていますか?」

「はい。題名となった『雨の歌』の歌曲の歌詞がずっと気になっていました」

「というと?」

「引用された歌曲の歌詞を調べました。その中に『身震いのするほど冷たい、全ての雨滴が降りてきて、この鼓動する胸を冷やし、創造の聖なる営みが私の密やかな命に忍び入るのだ。雨よ降れ、降れ。あの昔の歌をもう1度呼び覚ましてくれ』とありました」

「なるほど、それで?」

「身震いするほど冷たい雨、胸を冷やし、さらには命に忍び入る雨とは、どんな雨で、どんな意味がこめられているのか?」