詩月が焦って探せば探すほど探しモノは見つからず、詩月は「落ち着け」「落ち着け」と、繰り返し自分自身に言い聞かせた。
ようやく「……あった」と探しモノーー錠剤の入った小瓶を見つけ、手に取った。
が、ホッとひと息する間もないほどの息苦しさを感じた。
「詩月!?」
錠剤を上手く取り出せずに焦る詩月の様子を見かね、ミヒャエルが錠剤を取り出し、詩月の口に含ませた。
ミヒャエルは「大丈夫か」と訊ねて、詩月の背をゆっくりと擦った。
「自棄を起こして無茶してないか? ちゃんと診てもらっているのか?」
詩月は答えない。
ミヒャエルは詩月の演奏に普段から圧倒され、詩月が先天性の心臓病だということをいつも忘れてしまう。
BALのマスターもBALの客も詩月の演奏を聴いている限り、詩月が心臓病で虚弱体質だということを忘れて、リクエストを重ねてしまう。
ようやく「……あった」と探しモノーー錠剤の入った小瓶を見つけ、手に取った。
が、ホッとひと息する間もないほどの息苦しさを感じた。
「詩月!?」
錠剤を上手く取り出せずに焦る詩月の様子を見かね、ミヒャエルが錠剤を取り出し、詩月の口に含ませた。
ミヒャエルは「大丈夫か」と訊ねて、詩月の背をゆっくりと擦った。
「自棄を起こして無茶してないか? ちゃんと診てもらっているのか?」
詩月は答えない。
ミヒャエルは詩月の演奏に普段から圧倒され、詩月が先天性の心臓病だということをいつも忘れてしまう。
BALのマスターもBALの客も詩月の演奏を聴いている限り、詩月が心臓病で虚弱体質だということを忘れて、リクエストを重ねてしまう。



