LIBERTEーー君に

「本当にそうなのか? 周桜宗月はお前の何? 周桜宗月を越えたその先は? 周桜宗月が居なくなったら青い鳥探しは終わるのか?」

「……何を言って……」

「お前はお前だよ。周桜宗月Jr.ではなく周桜詩月だ。そう言ったのはお前自身だろ」

「そんなこと、言われなくても……」

「中止になったほうがよかっただと? 人のことを気遣いしている場合か」

「だから、君に言われなくても!!……わかって…………」

詩月がカッとなり声を荒らげた拍子に、詩月の胸がトクンと跳ねた。

詩月の胸の鼓動が忙しくなり、詩月は上着のポケットを探ったが探しモノは入っていなかった。
 
胸を押さえたまま押し黙り、リュックサックの中を探った。

マスターがサッと水の入ったコップを差し出した。

そうする間も、詩月の息遣いは荒くなっていく。