ユリウスとマルグリットの心配は、こっそりと貢とミヒャエルにも伝えられた。
常々、頭の隅に置き気がけなくてはならないことだが、ユリウスも普段の詩月を観ていると、つい詩月の体調のことを忘れてしまう。
「あの、詩月の体調……良くないんですか」
「良いとか悪いとか以前に、無理が利く体ではないからな」
ミヒャエルはハッとして、唇をキュッと結んだ。
「君1人の伴奏なら兎も角、貢の伴奏に加えて新型ウィルス拡大も心配の種だし。伴奏の件は貢には言わないでくれよ」
「俺はそこまで無神経ではないぜ」
「そうだな。本番では君と貢の順番が同じ日でないことを願うよ」
「詩月は今日、貢と?」
「いや。今の時間、貢はエィリッヒとサロンで演奏している。詩月は夕方に君と……」
ユリウスとミヒャエルが話していると、ビアンカがスマホを持って、BALに駆けこんできた。
常々、頭の隅に置き気がけなくてはならないことだが、ユリウスも普段の詩月を観ていると、つい詩月の体調のことを忘れてしまう。
「あの、詩月の体調……良くないんですか」
「良いとか悪いとか以前に、無理が利く体ではないからな」
ミヒャエルはハッとして、唇をキュッと結んだ。
「君1人の伴奏なら兎も角、貢の伴奏に加えて新型ウィルス拡大も心配の種だし。伴奏の件は貢には言わないでくれよ」
「俺はそこまで無神経ではないぜ」
「そうだな。本番では君と貢の順番が同じ日でないことを願うよ」
「詩月は今日、貢と?」
「いや。今の時間、貢はエィリッヒとサロンで演奏している。詩月は夕方に君と……」
ユリウスとミヒャエルが話していると、ビアンカがスマホを持って、BALに駆けこんできた。



