LIBERTEーー君に

BALではビアンカが毎回、動画を撮った。

それを元に演奏の分析と修正と反省、意見交換がおこなわれた。

詩月が場所、客層により、演奏を変える。

毎回、詩月と貢、詩月とミヒャエルの演奏は変わる。

噂が噂を呼び、ビアンカの動画はアクセス数が増えていった。

「ユリウス。演奏って、急激に変わるものかしら?」

「貢のことだね」

詩月が入浴後、居間を横切るとユリウスとマルグリットがワインを飲みながら、話していた。

「初めてサロンで演奏した時は、ずいぶん大人しい演奏をすると思ったのに」

詩月には興味深い話だったが、盗み聞きするのは気が引けた。

詩月は声をかけ、会話に加わることはできたが自分が口出しすることではないと思い、部屋に戻った。

2階の演奏室では貢がコンクールの1次選択曲の練習をしているところだった。