LIBERTEーー君に

貢が下宿して以来、貢のヴァイオリン練習はユリウスが買って出ていた。

数日置きに、エイリッヒがピアノ伴奏をおこなった。

本番で何かあった時の対策と、詩月の負担軽減だったが、貢には良い刺激だった。

エィリッヒがどんなに詩月のピアノ伴奏に似せても、エィリッヒの伴奏は、詩月の演奏とは違っていた。

貢は学オケを率いて、たくさんの楽器演奏者と演奏してきた。

伴奏者が変われば演奏が変わる、それが貢には新鮮だった。

マルグリットのサロン「フレデリック」では、演奏するごとに目に見えて貢の評価も変わった。

演奏が噂になり、貢目当ての客が増えた。

「面白い演奏をするようになったわね」

そう言ったのはマルグリットだった。

アマデウスでは専属で演奏しないかと毎回懇願された。

ケルントナー通りではミヒャエルと貢の歓声が2分した。