「エリザベートコンクールは、世界的規模の新型ウィルス感染症拡大の影響により延期する」
4月初旬。
コンクール開催が約1ヶ月に迫り、すでに70人余りのコンテスタントが予備審査を通過し、予選出場を決めている段階での、突然の知らせだった。
新型ウィルス拡大により、パンデミックが起き、ロックダウンしている諸外国もある。
オーストリア国内でも1月半ばから、ウィルス感染対策とし、外出時にはマスク着用を強制している。
飲食店では隣接や向かい合わせの席を避け、仕切りとしてパーティションが設置されている。
外出制限も呼び掛けられている。
詩月はコンクール間近という切迫感や緊張感がなくなり、悔しさよりもホッとしていた。
詩月は郁子から「わたし、弾けない」と告げられた日から、どう気持ちを入れ替えても、気合いを入れても、納得のいく演奏ができなかった。
4月初旬。
コンクール開催が約1ヶ月に迫り、すでに70人余りのコンテスタントが予備審査を通過し、予選出場を決めている段階での、突然の知らせだった。
新型ウィルス拡大により、パンデミックが起き、ロックダウンしている諸外国もある。
オーストリア国内でも1月半ばから、ウィルス感染対策とし、外出時にはマスク着用を強制している。
飲食店では隣接や向かい合わせの席を避け、仕切りとしてパーティションが設置されている。
外出制限も呼び掛けられている。
詩月はコンクール間近という切迫感や緊張感がなくなり、悔しさよりもホッとしていた。
詩月は郁子から「わたし、弾けない」と告げられた日から、どう気持ちを入れ替えても、気合いを入れても、納得のいく演奏ができなかった。



