しだいに盛り上がって行く第2主題は、オペラ歌手の美しいソロを聞くように陶酔させていくはずなのに、思うようにいかない。
「安坂さんの演奏に聴き手は着いてきていますか? あなたに聴き手は見えていますか?」
詩月は口では穏やかであろうと感情を抑えているけれど、内心は澄ました演奏をいつまで続けるつもりだと、苛ついていた。
モニタールームではマルグリットが、モニター画面を見つめていた。
「難しいようね、貢は。なかなかガードが硬い」
画面を見つめたまま、深くため息をついた。
「社長、どうなさいますか?」
サロンの様子を伝えにきたウェイターが、不安げにマルグリットの返事を待っている。
マルグリットは再び、ため息をついた。
「もうすぐ第1楽章が終わります」
「そうね」
マルグリットは顔を上げ、颯爽とモニタールームを出た。
「安坂さんの演奏に聴き手は着いてきていますか? あなたに聴き手は見えていますか?」
詩月は口では穏やかであろうと感情を抑えているけれど、内心は澄ました演奏をいつまで続けるつもりだと、苛ついていた。
モニタールームではマルグリットが、モニター画面を見つめていた。
「難しいようね、貢は。なかなかガードが硬い」
画面を見つめたまま、深くため息をついた。
「社長、どうなさいますか?」
サロンの様子を伝えにきたウェイターが、不安げにマルグリットの返事を待っている。
マルグリットは再び、ため息をついた。
「もうすぐ第1楽章が終わります」
「そうね」
マルグリットは顔を上げ、颯爽とモニタールームを出た。



