案の定子供達はとても喜んでくれた。食堂中が「あまーい!」「おいしーい!」と言う子供達の声で溢れかえる。
そんな子供達の笑顔を眺めていると、クラリッサさんが私の前にお茶が入ったカップを置いてくれた。
「最近、この街に他所から来た人間が増えて来たって聞くけれど、サラちゃん一人で大丈夫だった?」
クラリッサさんの言葉に一瞬テオとのアレコレを思い出すけれど、結局市場のみんなに助けられたし、何ともなかったのでわざわざ言うまでも無いかと思い、軽く流すだけにする。
「ちょっとテオにお茶を誘われたけどね。断ったらどっかに行ったし大丈夫だったよ」
私がそう言うとクラリッサさんは眉を顰め、心配そうに「まあ……」と呟いた。
「これからは街に行く時は誰かと一緒に行きなさい? サラちゃん一人じゃ心配だわ」
このクラリッサさんをはじめ婦人会のおばさま方や、街の人達はいつも私の心配をしてくれる。本当に優しい人達だと思う。この孤児院がこうして存続出来ているのも街の人達のおかげなのだ。
「大丈夫だよ。この街の人達はとても優しいし、心配する事は何も無いよ。……まあ、一部を除いてだけど」



