巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。


「サラの刺繍はとても評判が良いから、本当はうちで専属になって欲しいのだけれど……。まだ後任の司祭様はいらっしゃらないのかしら?」


 後任の司祭様が来てくれたら、私の時間も増えるだろうし、もう少し納品出来ると思うけれど……。


「すみません、まだ神殿本部からは何も連絡が無くて……」


この商会で働けるなんて凄い事だけど、子供達の事を考えるとどうしても無理が出てしまうので、うんと言えないのが辛いところだ。


 ナターリエさんも残念そうに「なら仕方がないわね……」と言ってくれて、申し訳無く思う。


「孤児院の問題が解決したら、すぐ連絡頂戴ね。サラだったらいつでも大丈夫よ」


 ナターリエさんの言葉に、私を評価してくれている事が伝わって来てとても嬉しい!


「はい! ありがとうございます! 是非!」


 舞い上がる私にナターリエさんは「ふふ、待っているわ」と言ってくれて、私の心は更に舞い上がってしまった。

 人に評価されるのがこんなに嬉しいだなんて……。それはきっと相手がナターリエさんだからだろう。彼女は正当な評価をする人だから。