ちなみにこの国にもアルムストレイム教の神殿本部があるけれど、基本この国は自由信仰を認めている。今はアルムストレイム教の勢力が強いけれど、昔ながらの民間信仰や土着神を信仰をしている人達もいる。


「神聖王国と銘打っているけど、法国のトップは実質教皇でね。『国王? 誰それ?』って感じらしいんだよね。それにアルムストレイム教って言うけれど、それは神様の名前じゃなくて教皇が代々受け継ぐ名前なんだよ。今の教皇になってから随分経つみたいだけれど、退位する気配が全く無いんだよね。まあ、司祭様は『不老不死の妙薬でも飲んだんじゃね?』って言っていたけれど」


「現在の教皇はまだ若いと聞いたことがありますが……なるほど、長い間一人の人間が教皇を務めているんですか。それは知りませんでした」


「まあ、教皇なんて法国の住人でも滅多に見れないしね。顔を知らない人が殆どじゃないかなあ。司祭様は『マジ美形! やべぇ!』って言っていたけど」


 時々司祭様の口真似を交えて話する。司祭様、人が居ないところだったら凄く口が悪かったからなあ。外面も良かったし、騙されてる人も多かったんだろうなと思う。