巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。


 子供達への贈り物の代償として領主に関する情報を集めて欲しいって、エル本人が言っていたのに……。


「貴女にお願いした僕が浅はかでした。貴女に諜報員のような真似が出来るとは到底思えません。僕の人選ミスです」


(人選ミスって……そんなに駄目かなあ? テオって結構良い情報源だと思うんだけど)


「領主周りの情報は僕の方で集めますから、貴女は決して彼と関わらないで下さいね」


「まあ、別に会いたくも何とも無いからいいけれど……」


 でもそれじゃあ益々貰った贈り物との釣り合いが取れなくなってしまうから、何か別の方法で返さないといけなくなってしまう。


「……そこまで意識されていないって、逆に同情してしまいますね……」

 私のテオの扱いにエルが苦笑いを浮かべている。


「そりゃ、私一筋とか何とか言っているけれど、言葉と行動が伴っていないし、散々女の子と遊んでいるような男はちょっとねぇ……」


 可愛い女の子を沢山侍らしているのに、まだ足りないのだろうか。


「千人斬りでもしたいのかな?」