巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。


 領主やその家臣たちは一体何をしているのか。一刻も早く良き後継者を育てないといけないと思うんだけど。


「あれぇ? もしかして俺の心配をしてくれるの? サラは優しいなぁ」


 ……普通に苦言を呈しただけなのに、何処に優しさがあるというのか。って言うか、話が通じなくて困る。コイツこんなに馬鹿だったっけ?


「いやいや、私は優しくなんてないから! 勘違いしないでよね! 今から晩御飯の準備するんだからもう帰って!」


「えぇ? それってもしかして『ツンデレ』ってやつ? 今王都で流行ってるんだっけ? 早速実践して俺を誘惑してるの?」


 ……ダメだコイツ。頭の中お花畑だ。男でも脳内お花畑っているんだな……。


 領主の息子がこんなお花畑なんて情けない……って、あれ? そう言えばエルが知りたいことに領主の情報もあったんだっけ。ついでだとは思うけれど、義務は果たさないとね。


「ええっと……お付き合いは出来ないけど、今度ゆっくりお話しよう? 領主の仕事や街のことを色々知りたいし」