「サラ、行きましょうか」


 正装して格好良さが増したエルが、輝く笑顔を浮かべながら私に手を差し伸べる。


「うん!」


 エルが差し出す手に自分の手を重ねた私は、後ろを振り返って子供達やエリアナさん達、エリーさんへ挨拶をした。


「じゃあ、行ってくるね!」


「「「「「いってらっしゃーい!」」」」」


 皆んなに温かく見送られながら、私はエルに導かれるように外へ出る。


 空を見上げれば、抜けるように澄み切った青空が広がっていて、それはまるで神様からの贈り物のような快晴だった。


 空から降り注ぐ光の中、辺境の地の、小さな孤児院から始まった私達の小さな約束は、王都の神殿本部にある大神殿で、将来を共にするための神聖な誓いとなった。





 ──そうして、巫女見習いだった私は<救国の聖女>となり、人々から<紅眼の悪魔>と呼ばれ、恐れられていた心優しい闇の王子様と結ばれ、溺愛されながらその生涯を幸せに過ごしたのでした。
 
 

 終






 * * * * * *


これにて、「巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。」は完結となります。

ちなみにサラが結婚するまでの半年の間に起こったアレコレは、後日番外編として書くかもしれません。まだ登場していない人物も何人かいるので…。

連載中の作品や新作もどうぞよろしくお願いいたします!( ´ ▽ ` )ノ