瘴気の量も目に見えて増え、もしかしてこれは<穢れし者>とは違う闇のモノ──<穢れを纏う闇>に進化しようとしているのかもしれないと気付く。


(どうしよう……!! このままじゃ……あ!!)


 この玉座の間で魔法が使えないのなら、闇のモノをここから追い出せば……と考えた私はお爺ちゃんにそのことを伝えようとタイミングを見計らう。

 だけど、無尽蔵に身体を再生する闇のモノに隙はなく、気を抜けば速攻やられてしまいそうだ。更に奴が放つ瘴気のせいで、段々騎士団達の動きが鈍ってきている。


(何とか奴をここから追い出せれば……! そうすれば魔法で浄化できるのに!!)


 <熾天>の力に頼れない今は、全属性の力を使うしかないのだ。


(……よし! 一か八かやってみよう!!)


 私は玉座の間から出るべく、扉に向かって全力で走った。