司教の暴言はエルが大好きな子供達にとって、とても許せるものではなかったらしい。普段はとてもお行儀が良い子達が、エルのために怒っている姿に不覚にも嬉しくなる。
「黙れ黙れっ!!! このゴミどもがよくも……っ!!! まとめて神去らせてくれるわっ!!!」
逆上したバザロフ司教は、懐から黒い水晶玉のようなものを取り出すと、思いっきり地面に叩きつけた。
──そうして、水晶玉が割れたと同時に、この辺り一帯の空気が一変する。
「な……っ?!」
水晶玉が割れた場所からおびただしい量の瘴気が吹き出したかと思うと、まるで手を伸ばすかのように闇が広がっていく。
その非現実的な光景に呆然としていると、誰かの呟きが私の耳を掠めた。
「これは……まさか<穢れし者>……!?」