断固抗議させていただく!と意気込んだのに、エルの不意打ちに呆気なく撃沈してしまう。


(くわーっ! 甘い! 甘いぞー! エルが甘々だー!)


 思いが通じ合ってから、エルはこうして私への想いをよく口に出してくれるようになった。お世辞でも何でも無い素直な気持ちが伝わってきて、その度に私は動揺してしまう。

 今まで恋愛とは無縁だった私は、甘々な言葉に耐性が全く無いのだ。


「そう言えば、子供達の属性を判定したそうですね。将来有望な子が何人もいたと聞いていますよ」


「あ、そうそう! 皆んな結構魔力量が多いみたいなんだ! それにシリルが闇属性だったんだけど、あの子すっごく喜んじゃって。エルみたいになりたいんだって」


「それは嬉しいですね。では、僕の時間が取れた時は勉強を見てあげましょうか」


「本当?! シリル喜ぶよ! あ、でも他の子供達がすっごく羨ましがりそう」


 子供達はエルが大好きだから、時々エルが離宮に来てくれると皆んなで群がって中々離さない。それで何度迷惑を掛けたことか……。


「勿論、他の子供達の勉強も見ますよ。初級で良ければですけどね」