「うん、きれいなお兄さんありがとう! 絵本大切にするね、おやすみなさい!」
そう言ってエイミーは嬉しそうな顔をしてベッドに戻っていった。あんなに嬉しそうな顔をしたエイミーを見るのはいつぶりだろう……。
いつもニコニコしているエイミーだったけど、本当はずっと我慢してくれていたのかもしれない。
(こんな小さな子に気を使わせるなんて……本当、私ってダメだなぁ)
きっとエイミーだけじゃなくて、他の子供達も私を気遣って我儘を言わないのかもしれない。なんて健気な子供達なんだろう……。
「……子供達に服を贈ってくれて有難う……しかも絵本まで。貴方はどうしてこんな事をしてくれるの? 何が望みなの?」
さっきまで散々悪魔だと言っていた私が突然態度を変えたからか、悪魔が面白いモノを見つけたような顔をする。
「……へえ。僕の事を悪魔だと言う巫女が、お礼なんて言っていいのですか?」
「神に仕える巫女としてはダメかもしれないけれど、人として受けた恩にお礼を言うのは当たり前でしょう? それに……あんな嬉しそうなエイミーの顔、しばらく見ていなかったから……」



