「えっとね、まくらのところに置いてあったの。サラちゃんがくれたんじゃないの? そこのきれいなお兄さんがくれたの?」
エイミーの言葉に我に返る。つい本に気を取られ、悪魔の事を一瞬忘れてしまっていた。
「え、えっとね、この人は……」
小さい子供に悪魔が一緒の部屋にいると言える訳がなく、どうしたものかと思っていると、悪魔がエイミーに向かって優しく話しかけた。
「そうですよ。いつも良い子にしている君達にご褒美のプレゼントを持ってきたのです」
「本当? うれしい! じゃあ、この服も?」
「ええ。服の着心地はどうですか? 小さくないですか?」
「どれもぴったりだよ! すてきな服をありがとう! みんな喜んでるよ!」
結構人見知りなエイミーが、初対面のはずの悪魔と楽しそうに会話をしているなんて……これが悪魔の魅力というやつなの……!? 悪魔恐るべし!!
でもこれで子供達の服を贈ってくれたのが誰なのか判明した。まさか悪魔が子供達にプレゼントしてくれるとは……!
「エイミーは絵本のことを教えに来てくれたんだよね? ありがとうね。でももう遅いから、お礼を言ったらベッドに戻ろうね」



