そして改めてサラが紹介してくれた人物──サラが「お爺ちゃん」と呼んで慕う人を見るけれど、何もかもが予想から大きく外れていて驚いた。


 まず見た目が若すぎる。どう見てもお爺ちゃんと呼ばれる年齢に見えない。そして目を瞠るような整った顔立ちに、不自然なほど洗練された魔力の波動……。


 確かに、サラが言っていた通り、彼女の「お爺ちゃん」は何もかもが規格外であった。その外見は勿論、その行動までもだ。


「──私と子供達の恩人である王太子殿下に──エデルトルート・ダールクヴィスト・サロライネン様に、不肖シュルヴェステル・ラディム・セーデルフェルトは一生の忠誠を誓います」


 何を考えてそのような行動に至ったのかは分からないけれど、司祭──シス殿は、突然僕に忠誠を誓ったのだ。


 そうして無事、サラを助け出した後、僕は日を改めてシス殿と対面する。

 彼から忠誠を示され、それを受けたは良いけれど、まずは彼の処遇を決めなければならないのだ。


「シス殿にはサラと共に、児童養護施設運営のお手伝いをお願いしようと思っているのですが、何か希望はありますか?」