巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。


(この悪魔の目的は一体……まさか、子供達を狙って……!?)


 悪魔は綺麗で穢れていない魂を集めているという。なら、うちの子供達を拐いに来たのかもしれない。


「いや、別に欲しい物がある訳じゃなくて──」


 悪魔が何かを言おうとして口を閉ざす。どうしたんだろうと思ったら、部屋の扉をとんとん叩く音が聞こえてきた。


「サラちゃん」


 ドアの外から聞こえた来たのはエイミーの声だった。もう寝たと思っていたのに、目が覚めちゃったのかもしれない。


 私が静止する前にエイミーがドアを開けて中に入って来てしまう。エイミーは悪魔を見て、眠そうだった目を見開き驚いた顔をしている。


(どうしよう……! エイミーが悪魔の姿を見てしまった!!)


 私は慌ててエイミー近づき、この状況を何と言って誤魔化すべきかと考えていると、エイミーが綺麗な絵本を抱きかかえているのに気が付いた。それは新品のようで、よれや破れなどは全く無い。


(孤児院にある本はどれもボロボロだった筈なのに……)


「エイミー、この絵本はどうしたの?」