私はエルのこういうところが、たまらなく好きだ、と思う。


 一人では伝え切れなくても、二人一緒なら、その想いと言葉は、もっと意味を持つから。


「では、そろそろ広間に戻りましょうか」


 ヱルはそう言うと立ち上がり、私の方へ手を伸ばしてくれる。


「うん!」


 私がドキドキしながらヱルの手を取って、立ち上がろうとしたら、頭がクラっとして身体に力が入らなくなる。


「あれ……?」


「っ!? サラっ!?」


 倒れる私を、エルが慌てて抱きとめてくれるけれど、驚いた表情のエルを視界の最後に、私は意識を手放したのだった。