──どうやらエルもお爺ちゃんが元・大聖アムレアン騎士団の騎士団長だったとは知らなかったらしい。
きっと、王国騎士団との手合わせを見て、その腕に惚れ込んだのだろう。
「──まあ、そういう事で、こんな俺でも一応団長経験者という訳だ」
衝撃から立ち直った議員達の、お爺ちゃんを見る目がガラッと変わる。
特に神殿派議員達の変化は著しく、今までの胡散臭い者を見る目付きだったのが、憧れの人と出会った少年のような、キラキラとした目になっている。
(うわー! どれだけ大聖アムレアン騎士団が好きなんだよ……!)
「ま、まさか本当に……貴公があの誉れ高きセーデルフェルト騎士団長殿……!?」
「ほ、本物……!?」
「……え! 若!」
「なるほど、どうりで聞いた事がある名だと思いました」
「退団の噂を聞いたのが十五年以上前ですからな。すぐ気付かないのも仕方がないことです」
「セーデルフェルト殿は大聖アムレアン騎士団歴代最強と謳われておりましたからな」
「我が国の騎士団が敵わないのも当然でしょう」
「あの冥闇魔法騎士団にも一目置かれていると聞いておりますよ」