「どうしても何も、俺がその大聖アムレアン騎士団の騎士団長だったからだよ」
あまりの衝撃に、お祖父ちゃんの言葉を理解するのにしばらく時間がかかった。
「……………………えぇーーーっ!? なにそれ!! 私そんなの聞いてないよ!!」
「ん? ああ、言わなかったからな」
「だから! どうしてそんなに大切なことを黙ってたのさーーー!!」
「そりゃ、お前を引き取ってからは騎士団辞めて司祭やってたからなぁ。ソリヤの生活でそんな肩書意味なくね?」
「そ、そりゃそうだけど……!!」
司祭としての生活に、元騎士団長の肩書など不要だろう。だけどそうじゃない、そうじゃないのだ!!
(一体、このやるせない気持ちをどうすればいいの……!)
しかし突然騎士団長に任命されたのはそういう事だったのか!! と妙に納得する。
(あれ? という事は、エルもお爺ちゃんのことを知っていたってこと……?)
私がはっとエルの方へ顔を向けると、そこには同じ様に驚愕しているエルの顔があった。そして私とバチッと目が合うと、エルはふるふると首を振った。