引っ込みがつかなくなったのだろう、おじさん議員がまたもやお爺ちゃんに挑発的な言葉を浴びせる。

 それでもお爺ちゃんは動じず、それどころか騎士団を強くする約束を交わしてしまう。それも普通ではありえないレベルにだ。


(ひーっ!! お爺ちゃんってばなんちゅうことを……!! これ、言い方は丁寧だけど、売り言葉に買い言葉じゃん!!)


「……セーデルフェルト……? どこかで聞いた事がある名ですね」


「私にも聞き覚えがありますね。しかしどこで聞いたのやら……」


「先程から思い出そうとしているのですけどねぇ」


 お爺ちゃんの身を案じる私の耳に、恐らく王族派議員だろう人達の話し声が聞こえてきた。

 どうやらお爺ちゃんの名前を知っているらしく、思い出そうと必死になっている。


「き、貴様如きが戯けたことを……! 大聖アムレアン騎士団は法国が誇る最高戦力なのだぞ……!」


「今まで法国が他国の侵略を受けなかったのは、大聖アムレアン騎士団があってこそなのだ!」


「その名を聞くだけで連合国の大軍が戦意を喪失すると言われておるのに……!」