「いやいや、いきなりそんな質問されても……って、どうしてそんな事聞いてくるのさ!?」
「どうしてって、俺の今後の人生設計に関わってくるからな。サラの気持ちは知っておかないと」
「……えぇ〜〜?」
もしかして恋バナがしたいのかな、と思った私の予想と違うお爺ちゃんの言葉に、思わず困惑の声が漏れる。
「それで? どうなんだ?」
(うーん? これからの人生設計の意味がわからないけど……。でもお爺ちゃんの事だから興味本位で聞いてきた訳じゃないよね……)
こうしてお爺ちゃんが冗談めかしているのは、私が言いやすいように、と気遣ってくれているからかもしれない。
「──うん。私はエルが好きだよ」
お爺ちゃんが真剣だったとわかり、私も真剣に返事を返す。
さっきまでの冗談っぽい雰囲気はいつの間にか無くなり、私とお爺ちゃんの間に緊張感が漂う。
「……そうか! わかった!」
「う、うん?」
お爺ちゃんの明るい返事に、さっきまで部屋中に漂っていた緊迫した雰囲気が霧散する。
そして二ヤッと笑うお爺ちゃんの笑顔に、私はぱちりと目を見開く。
(あっ! お爺ちゃんがこの表情をするのはろくでも無いことを思いついた時だ……!)
お爺ちゃんが何を思いついたのかは分からないけれど、その思い付きが災いを呼び寄せませんように──と、非力な私は祈ることしか出来なかった。